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わかやま“なごみ”暮らし現地体験会in那智勝浦町(色川地区)

ありがとうございます。本ツアーは無事開催されました。

※この記事は、2016年11/26(土).27(日) に行われる「わかやま“なごみ”暮らし現地体験会in那智勝浦町(色川地区)」との連動コラムです。ツアーの詳細は「こちら」から。フライヤーをダウンロードください。

はじめに

こんにちは。Kiiを運営している大越元(はじめ)といいます。

東京生まれの31歳です。2016年から和歌山県那智勝浦町・色川地区を拠点に活動しています。

今回縁あって、11.26-27日に行われる「現地体験会」のパンフレットを制作させていただきました。誌面では伝えきれないことがあると思い、このコラムを書いています。

ツアーのテーマである「色川的自給自足の暮らし-子どもたちに伝えたい暮らしがある-」。

自給自足という言葉に、あなたはどんなイメージがありますか?

わたしがはじめて色川を訪ねたときのことを、2000文字ほどにまとめました。

よかったら、ご覧ください。

 

訪ねたのは、2015年の12月。

360人が暮らす、色川地区。場所は、和歌山県の南端に近い那智勝浦町の山あい。

海の上を走るような電車に揺られて、紀伊勝浦駅へ。そこから車で40分ほど進む。

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大阪からは車で5時間。特急電車を利用しても4時間。東京からは、その倍近くかかります。とにかく遠く不便なところですが、約40年の間に、160人が移り住んでいます。

 

夫婦で色川に移住、農家民泊「jugemu」を営む寿海(じゅかい)さんを訪ねた。

この日、真也さんと千鶴さんは薪小屋づくりをするという。

「一緒にやる?」「じゃあ」。

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裏にある段々畑を上がっていくと、チェーンソーで切った丸太が横たわっていた。

「杉ですか?」「そだよ」協力して木を運び出し、表皮をむき、二つに割っていく。

色川地区では、今も薪を生活に用いる家がめずらしくない。主な用途は、風呂。

その姿は、雑誌やWEBで目にする“DIY”や“小屋づくり”とは、どこか違った。

手製の木槌を振り下ろしながら思った。そうか、これは日常なんだ。

「平日の昼間からこんなことしてるでしょ。引っ越したては、不安だったよ。『俺、現金稼がなくていいの?』って」「ある人がね、『お金を稼いで買う代わりに、自分でつくる。これもりっぱな仕事だよ、って」

「ぼくらは、お金持ちよりも時間持ちがいいなと思う」

 

続けて訪ねたのが、「そこそこ農園」の外山(とやま)さん。米、野菜、お茶、養鶏と幅広く百姓を営むかた。

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鶏をおさえ、頸動脈を切る。血を抜く。熱湯につけて、羽をむしる。身を川であらう。包丁で身を切りだす。

言葉にすると簡単だけれど、一羽を捌くのにえらく時間がかかる。内臓が取り出せず、何度も外山さんに助けていただいた。

ようやく一羽捌き終えたとき、外山さんはすでに三羽捌いていた。

この日捌いている鶏は、卵を産むように育てられてきたもの。

鶏は生まれて3年ほど経つと、産む卵がぐんと減ってくる。卵を産まなくなった鶏は、焼却処分されることがめずらしくない。というのも、現在の流通ルートでは、食肉用として加工してもコストが見合わないため。

この日は、昼食をごちそうになった。身がしまった鶏の刺身。コリコリと歯ごたえがある。添えられているにんにくとしょうがも自家製。台所では、圧力鍋がシューシューと音を立てている。火元は、かまど。

「ここで、農業だけで二、三百万稼ごうと思ったらとてもむずかしい」「でも、お金に頼る比率を減らすというか。なるべく自給することで生活しています」

自給自足という言葉には、どこかストイックな印象があったのだけれど。寿海さんと外山さんを訪ねると、少し印象が変わったように思う。というのも、彼らがムリをしていないこと。そして、生活を楽しもうとしているからだと思う。

 

最後に、色川の子育てにふれたい。外山さんのパートナーである麻子さんは、横浜出身。

幼いころから読書が大好きだった麻子さんは、色川へ来て、めっきり本を読まなくなったという。

「本で得る知識は大切だけれど、そればかりじゃ頭でっかちになっちゃう。同じくらい、自分で経験することも大切だと思うよ」

ふたりの子どもは、とてものびのびと育っているように思います。はだしで土の上を駆けまわり、川に飛び込み。その姿はさながら野生児。けれども、ふと植物や虫の名前を教えてくれることがあります。

 

そして、大阪から移住した大西茜(あかね)さん。

ご主人の俊介さんと子育ての環境を話し合う中、色川へ越してきたのは5年前のこと。

2015年には、子ども向け図書館「くらしごと文庫」を立ち上げた。

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「ここで生活していると、自分の子どもだけを育てるわけじゃないんですね。近所の子を一緒に面倒見たり、逆に、自分の子どもを預かってもらうこともある。ときには叱ることも。お互いに、持ちつ持たれつです」

「色川に住む子どもたちが集まり、本に触れられる場所があったら。そう思って『くらしごと文庫』をはじめました」

 

こうして家々を訪ねた半年後。僕は色川地区に家をお借りすることになりました。日ごろはガス調理ですが、休日にカマドを使ってみたり。風呂を沸かすのに2時間かかったり。

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泣きそうになることもありますが、楽しんでいる自分もいます。

 

友人知人がいないと、生の生活に触れる機会はなかなかないと思います。11/26.27の大阪発着ツアー。ぜひ自分の目で見てみませんか。

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*申し込み及び問い合わせをクリックすると、企画団体であるWiteさんのページにリンクします。

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