
三重県御浜町を歩く-浦本紗也香さんと/後編
後編
再び移動の車中で、浦本さんにインタビューをさせてもらいました。
–浦本さんは、どうして御浜町へ?
浦本)熊野古道の近くで生活したかったんです。
でも3年前は、世界遺産の熊野本宮大社も知らなかったんです。ゼミの先生の紹介がきっかけで、和歌山県の湯ノ峰(ゆのみね)温泉で仲居のアルバイトをすることになって。その間に、観光協会で働かせていただく機会もあり、どんどんはまっていって。
学校の授業が終わってから、車で4時間走って、夜に到着。翌日は朝食から出勤。そんな生活を2年間続けました。
–すごいなぁ。熊野のどんなところに惹かれたんですか?
自然の多い熊野の地は、岩や滝を神様に見立てる信仰文化を持っています。大阪にいたときは感じられなかった雰囲気です。すごいとこやなぁ、と思いました。
それから、訪れる人の中には外国の人も多い。国内留学のような感じも楽しかったんです。
–熊野の中でも、どうして御浜町の地域おこし協力隊に?
はじめての募集ということが大きかったです。ゼロからスタートできるところが魅力的やなぁと。特に私の場合は、「社会人経験がなくても飛び込める」ことが大きかったと思います。
林)今回御浜町では、移住促進を軸に、計4人のチームをつくりたいと思っています。その一人が浦本さんです。メンバーは各々が起業に向けたプロジェクトを持ちつつ、チームで協力する場面も出てきます。浦本さんにはルーキーのよさがあると思います。今回は、社会人経験のある方にも来てほしいと思っています。
とうげミュージアムさんへ
林)作家の真砂(まなご)さんが、ウールを用いたフックドラグ教室を開いています。フックドラグとは、ウール地を裂いて台布にフックで刺して絵を描く手芸のこと。ウールの染めから行うことで、他にはない作品が生まれるんです。実は、御浜町への移住を広めるコンテンツになればと、“フックドラグのドール制作”を、お願いしているんですよ。
–ラグのドールですか?
林)2016年度に、移住フェアなどに出たときに、必要だと思ったんです。かといって、缶バッチもありきたりだし、いまさら“ゆるキャラ”つくっても。移住促進は、そうやって一つひとつとんがれたらと思っています。
この日は、以上をもって解散です。
「もしも御浜町に来たら」。続きはぜひ、自分の目と足で確かめてください。