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「子どもや若者が、やりたいことを勝手にできたらいいな。」Youth Library えんがわ/並河哲次さん

<高校生による高校生のためのコラム「高校生よ、はたらいてもいいんだよ。」Vo.6

はじめまして。岡本輝起(おかもとてるき)と申します。18歳です。高校生活をとおして、人生に悩みに悩みまくり、今も悩んでいます。

「特にやりたいこともない僕が、どうして大学に行こうとしてるのか」

「いい大学に行っていい会社に入って、その人生ってホントに楽しいのか」

学校という世界からは見えない、色んな生き方が身近にあるのではないか。魅力的な大人たちの仕事や暮らしに出会いたくて、Kiiのインターン(ライター見習い)になりました。

高校生による高校生のためのコラム「高校生よ、はたらいてもいいんだよ。」Vo.6です。

「子どもや若者が、やりたいことを勝手にできたらいいな。」Youth Library えんがわ/並河哲次さん

(ライター:岡本輝起 編集:大越元/Kii編集長)

和歌山県・新宮(しんぐう)市。和歌山県といえば、高野山にしか行ったことがなかった。そんな僕が初めて訪れた、海沿いのまち。冬の風の中、暖かい灯りに誘われて入った宿で、情熱あふれる人に出会いました。

新宮市の市議会議員を6年と半年間務め、今は「泊まれる図書館」であるゲストハウス「Youth Library えんがわ」を運営する並河哲次さん(32)に話をうかがいました。

<子どもたちの自由度を上げる>

 ご職業は「政治家」ですか?

どうなんやろ?もう辞めちゃったからね。

 辞めたんですか?

そうそう。今は議員でも、市長でもないので。「政治家」と名乗るのは違和感がありますね。ちょっと前までは政治家でしたよ。

 なぜ行政の道を選んだんですか?

昔にね、家庭教師をしていて。「今の子どもへの教育って、これだけでいいのかなあ」と思ってた。同じ頃に、子ども向けのキャンプをしていた影響もあって。勉強以外にもいろんな可能性が子どもにはあるのに、果たして今の教育でそれを伸ばしてあげられるのかなあと。

行政機関、つまり議会に入れば、教育に対して大きなレベルで動かしていけるんじゃないかと思って。25歳で被選挙権がもらえて、「よっしゃじゃあやってみるか」と。かなりの勢いです(笑)。

 なるほど。「子どもたちへの教育」が原点にあるんですね。

それがね。実は、原点にあるのは「自分」なんですよ。

自分が大学生のとき、進路に悩んですごくしんどい時があって。

みんな大学院とか就職とかすんなり決まっていくけど、自分はそういうのがやりたいとは思わなかった。「じゃあどうしたらいいの?」って思った時に、ぜんぜん道が見えなかった。

 それがどうして、「子どもたちへの教育」と「行政」につながったんですか?

道が全く見えない中で、「なんでこんなことになっちゃったの?」ってことをずっと考えてて。やっぱり「教育」なのかなって思ったんです。

物心ついた頃にはすでに小学校に入っていて、「まあ義務教育だし」ってことで小学校と中学校を卒業して。高校は義務教育じゃないけど、ほぼ全員の人が行くからみんな高校へ行って。入った高校が進学校だったら、ほぼ全員の人が大学に行くから、大学へ行って。大学に行ったら企業から「うちに来てくださいねー」と言われて。

常に、自分のいる先に受け皿が用意されてるんです。「ここですよ」って。誰もが「それ以外はない」って、普通に思い込む。それしかやったことがないから。

 受け皿にずっと乗ってきた人が、乗っかりたくないと思い始めた途端に、他にぜんぜん道が見えなくなる。

そうそう。だから、小さい頃から自分が「これだ」と思えるものを見つけて、やってみる。そういう練習をさせてあげたいなと思っています。

例えば、大学に入って初めて授業が選択できるようになるけど、小学校の時からやっててもいいんじゃないかとか。

自分で見つけて選び取る。なかったら自分で作る。それに慣れておけば、僕みたいに悩まずに済むんじゃないかと思って。

一言でいうと、「自由度を上げる」かな。

 行政が自由度を上げるのも一つの方法で、もう一つの方法として「Youth Library えんがわ」のように、自由な場所を作っているんですね。

そう。自由に学べる場所を作って、子どもや若い人が、やりたいことを勝手にできたらいいなと思ってます。「えんがわを使ってこういうプロジェクトやりたいです」って言ったら応援するし、何もやらなくたっていい。ゲームしたりくつろぎに来てる小学生もいます(笑)。

(えんがわの向かい側には、小学校があります)

<若者のチャレンジを応援する>

 具体的に、どんな形で高校生のやりたいことを応援していますか?

えんがわでは、インターン生を募集しています。

インターン中にプロジェクトを提案してもらえば、イベントなどの開催を支援します。えんがわのリノベーションを手伝うこともできます。

ゲストハウスとしてAirbnb(エアービーアンドビー)に登録しているので、外国人の宿泊客が来ます。海外の人と、接客を通じてコミュニケーションの機会も提供できます。

また、「Kumano Scholarship」と称して、高校生の単独海外渡航を支援する奨学金も準備を進めています。

<「謎の場所」、それがいい>

 人生や進路に悩んだときって、親や先生に相談しても解決しないことが多いと思うんです。むしろ「知らないおじさん」と話した方が、世界が広がる気がする。そういう人に会える場所って、周りになかったんです。えんがわは、もっと早くに知っておきたかった。

なんか、「謎の場所」って感じがしていいよね(笑)。

小学生からしたら、高校生も珍しい存在だし。海外から泊まりに来る人もいるし。そもそもえんがわには館長がいるんだけど、今はヨーロッパで旅してるし(笑)。

「館長スペインやで、電話しよか」とか普通にあります。

いろんな世代、いろんな土地の、いろんなバックグラウンドを持った人が訪れるし、そういう人たちを呼んでたくさんイベントをしています。ぜひご来館を。

 はい!話を聞かせていただき、ありがとうございました!

<「高校生よ、はたらいてもいいんだよ。」を一緒に書いてみませんか>

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問い合わせ内容・自己紹介

 

【並河哲次さんプロフィール】

1985年 大阪府箕面市生まれ。

2009年 京都大学農学部卒業後、学生時代から通っていた新宮市に移住。

2011年 新宮市議会議員に25歳の最年少で当選。その後、6年半議員として活動。

2013年 世界経済フォーラムよりGlobal Shapersに選出。

子ども・若者向け私設図書館「Youth Library えんがわ」を開設。

2017年 新宮市長選に出馬。現職と一騎打ちとなるが、惜敗。

教育や空き家活用等の活動をしながら、次の市長選を目指している。