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「気になるほうへ、気になるほうへ- 二地域居住の旅、DIY女子部を経て、空き家コーディネーターに-」木島恵子さん/尾鷲市朝日町

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職場:おわせ暮らしサポートセンター 担当:NPO法人化準備、移住体験住宅「みやか」運営、外部対応

任期:2015/6〜(インタビュー時は、任期2年6ヶ月目)

「町を元気にしようとする周りのメンバーを見て、立派だなと思うんです。わたしは、一軒の家に住みたいなって思ったことがはじまりだったから」。東京に住みながら、古民家を探しつづけていた木島恵子さん。東京に自宅を残しつつ、尾鷲市九鬼町へ。ここに暮らしながら、古民家を活用した仕事に取り組む。

彼女一人からはじまった定住移住の取組みは、現在は4人体制のチームへ。これまでに77軒の空き家へ、154人が移り住みました。

2015年から今までの歩みを、聞きました。

<二地域居住先を探しつづけた、10年>

生まれ育ちは東京・埼玉です。両親も東京近郊の出身、小さいころからずっといなかへのあこがれがあったんですね。2007年頃から、週末を過ごせるいなかを探してきたんです。山梨、長野、新潟、群馬。当時はまだ「空き家バンク」なんてなかったと思います。いいなと思う空き家を見つけては近所の人に「ここ、借りられませんか」。もちろん相手にされず、次に訪れると取り壊されて駐車場に。そんな風景を、繰り返し見てきて。

<この古民家に、住みたい>

引き続き空き家は探しつつ、いつの日か自分で古民家をリノベーションする日を夢みて、DIY女子部に入部。工房で開催される工具の使い方講座や、ペイント・壁塗り・ユカハリなど、いろんなワークショップに参加していたんです。関わるほどに、古民家がいいなぁと思うようになって。そんなとき、インターネットの求人サイトで今の仕事の募集を知ったんです。「この家に住みながら、空き家を仕事にしていきませんか」。ストンと腑に落ちたんですね。「こういう取組みをする自治体があったんだ」。何より、その家に一目惚れしてしまった…(笑)。

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どうして古いものに惹かれるのか。一つ一つに、“裏打ち”があるんです。ペイントでは出せない古色、建具、欄間。木を育てた人、大工さんの職人技、そして住んだ人の思い。住むことで、継いでいきたくて。

東京では、ハウスメーカーの建売の戸建てを購入し、職場で任される仕事も広がっていた。それなりに充実感・安定感はありつつ、東京での自分の天井が見えはじめて。定年まで働いて、まぁこんな人生になるのかな。

そう、移住ってタイミングだと話される方は多いんです。

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受けるだけ受けてみよう、と思って。はじめて紀伊半島をくだって、尾鷲で2泊しました。夕飯を食べに入ったお店で、ご主人も近くに座った人も感じよくて。面接に役場へ行くと、担当の職員の方が気さくに話してくれて。はじめての尾鷲でしたけど、人の感じがとてもいい町だなと思ったんです。

全く受かるとは思っていなかったんですけど、後日採用の連絡をいただきました。

<市役所から古民家オフィスへ>

定住移住は、2015年6月に尾鷲市役所内の市長公室の一角ではじまったんです。地域おこし協力隊は、行政の担当者の存在が大きい。職員の方と二人三脚で進めてきました。当時から「せっかくここまで足を運んで頂いて、空き家を紹介するのだから、もっと落ち着けて移住相談できる空間がほしいな」と思っていて。2017年3月に、尾鷲市街地に念願の事務所「おわせ暮らしサポートセンター」を構えることに。

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訪れやすくなったんでしょうね。問い合わせ件数も増えました。現在は、電話問い合わせ、相談、内見をあわせて月に80件ほど。4人のメンバーで応対しています。

わたしたちの仕事は、空き家を紹介するだけではありません。

移住後の仕事のサポート、定住していただけるように生活相談にも乗ります。

そうしたときに、大切になるのは人と人とのやりとりだと思うんです。

<「移住体験住宅「みやか」がはじまるまで>

2017年4月に、移住体験住宅「みやか」がはじまりました。暮らしを試したい人に向けて、最長3ヶ月間滞在していただける住宅です。

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以前から、「休日に繰り返し足を運ばなくても、滞在しながら尾鷲の生活を試せる場所が必要だね」と話していました。関東など遠方の方々にも、じっさい尾鷲に来ていただいて、魅力をお伝えしたいという思いもありました。

2016年に、九鬼町の物件に出会いました。大家さんは、東京に長年暮らす方で、幼少の頃から夏休みなど、ご両親に連れられて九鬼を訪れていたそうです。相続後も、きちんと管理をされていたので、古民家の良さをそのままに、市の働きかけもあり、物件を提供していただくことに。大手前大学の川窪研究室に委託。1年かがりで事業を進めてきました。

物件を下見してから、体験住宅として利用するまでに1年間かかりました。町の人と話したんですね。みなさんに集まってもらい、みやかで取り組みたいことを伝えていく。たとえば町内には旅館もあるけれど、体験住宅は目的が違うんですと。

そうして、3泊4日の改修ワークショップを2度行いました。地元の職人に教わりつつ、参加者たちがピザ釜や外流しをつくっていく。壁を塗ったり、畳を床に張り替えたり。最終日の夜に打ち上げを行うと、町民の方も準備から手伝ってくれて。そうして、2月に完成報告会をしたんです。

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<法人化に向けて>

今はおわせ暮らしサポートセンターの法人化を進めています。行政から、定住移住に関する事業を受託しつつ、体験住宅をはじめとする自主事業にも取り組んでいきます。

わたし自身も、2018年5月の任期終了後も尾鷲にいようと思っています。

ふりかえると、2015年に応募したときは、「記念面接」だったんですよ。自分が、古民家を仕事にする道に進むなんて思わなかった。面接のために尾鷲で2泊したら、人がよくて。やってみたいと思った。そこからは、「面白いな」「楽しいな」「もう少し先が見たい」の積み重ねです。

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この先も古民家をテーマに、活動を続けていきたい。気になるほうへ、まずは歩き出してみようと思います。

 

<第一歩を尾鷲ではじめてみませんか?>

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