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三重県一のみかん産地で農家を募集/かきうち農園/三重県御浜町

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夏のみかん畑。カッパを着ての消毒作業は、たまらずクラっと来ることも。冬は冬で寒い。1年間手をかけて、迎える収穫。樹上で実が熟すのを待つ。畑でちぎって食べるみかんが一番おいしい。もぎたてのみかんはすぐに梱包して、大阪、東京、はたまたマレーシア、フランスへ。マルシェでお客さんから「みかんってこんなにみずみずしいん!」と言葉をいただくのも仕事のうち。自分が畑に出るから、伝えられることがある。自分で売るからこそ、来年の畑に持ち帰りたい声もいただく。

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三重県御浜町(みはまちょう)のかきうち農園では、農業スタッフを募集しています。畑をメインに、産直でお客さんへ届け、対面販売で伝える仕事です。

代表の垣内清明(かきうち きよあき)さんは、1991年に京都の一部上場メーカーへ技術職として就職。2001年にUターンすると、0.7ha(ヘクタール=100m*100m)のみかん畑を親から継ぎました。母に教わり、農業経験ゼロからのスタート。1年目にして「みかんでは食べていけん」と気づく。その後の3年間は、アルバイトと農家をかけもちして、家族を養いました。

その後、徐々に農地拡大に踏みきります。12haの畑で約15種のみかんを育て、省力化のため農機も積極的に導入。同時に力を入れたのが、産直。

「根が技術屋だから、最初は営業の仕方がわからなくて。段々と人づてに注文をいただくようになったんです」

現在は、東京ドーム約3個分にあたる12haの農地を2人の社員、パート7人とともに耕しています。

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一企業として見れば、すでに成功したのかもしれません。けれども、垣内さんはまだ道の途中という。

「御浜町のコピーは、“年中みかんのとれるまち”です。けれども、まちを見渡すと60歳を越えた農家も増えています。市場へおろす人がほとんどで、農“業”として成り立たせる人はごくわずか。でもね、御浜町のみかんには、もっとできることがあるんです。現に足りへんやもん、うちのみかん。その先を、一緒に見てみませんか」

今回は正社員を中心に、季節労働者、インターンも募集します。

<募集要項>

株式会社かきうち農園
募集職種ファーマー
雇用形態正社員
給与日給月給制170,000円(残業代別途支給)
福利厚生通勤手当あり
仕事内容・柑橘の栽培管理を担当します。堆肥や肥料を散布したり、病害虫および病気対策の農薬を散布します。
・摘果作業や収穫作業など柑橘全般の作業を担当します。
・加工品などの企画開発や海外展開にも携わってもらいます。
*本人の適性や希望によって、このほかの業務もお任せする可能性があります。
勤務地三重県御浜町内
勤務時間8:00~17:30(11:00~12:00休憩 10/15:00に15分休憩)
休日休暇週休制(日曜)年間80日
応募資格・みかんが好きな方
・植物などの栽培が好きで、日々観察ができる方
・チャレンジ精神旺盛で行動力のある方
採用予定人数若干名
応募の流れまずは下記よりご応募・お問合せください

書類選考

面接

採用(試用期間6ヶ月)・取得した個人情報は、採用選考にのみ使用します
・まずは、一緒にはたらいてみませんか
・入社後は、新入社員教育としてビジネスマナーや安全講習などの講座を受講し、社会人としてのマナーを学びます。その後、先輩社員とともに現場作業を一緒に行います。丁寧に教えますので、農業初心者でも大丈夫です。また、現場作業だけでなく、出荷作業や事務作業も経験して農園全体の仕事を把握してもらいます。
従業員数10名(パート7名含む)

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<かきうち農園を訪ねる>

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午後2時。御浜町の上市木地区のかきうち農園に行くと、入社3年目の東恩納(ひがしおんな)さんがフォークリフトを運転していた。茶色のセーターにジーンズとラフなかっこうだ。

あいさつをして、2階の事務所へ。

スーツ姿の垣内清明さんに話を聞いた。

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「急な来客で、津から戻ったばかりなんですよ。県内、大阪、東京。月の1/3は営業で出歩くことが多いです。となりの熊野市からは高速道路がついたし、東京へも日帰り出張できるようになったからね」

ここ1、2年は海外からの問い合わせも増えているそう。

マレーシアから「セミノールを購入したい」パリへ渡った豆腐職人から「みかんジュースを取り寄せてみたい」。人とのつながりの中で、色んな声をいただいている。

「今は、みかんの生産がおいつかないぐらい。もしあなたやったら、どうしますか?」

自分たちにできる分だけを受けていくか、それとも生産規模を大きくしていくか。

「うちは、広げるほうを選びたい。みかん農家という職業の可能性を広げることになるから。みかん農家ってね、ただつくって市場へ出荷して終わりじゃない。面白い仕事ですよ」

<御浜町のこと>

ここで、御浜町とみかんの歴史を見たい。江戸時代には、産業としてのみかん栽培がはじまったとされる。水はけのよい地質、海からの潮風、太陽の日差し。みかんに適した自然環境がそろい、江戸以前から野生のみかんが育ってきたとされる。

三重県は、みかんの生産量が多いわけではない。県別で見ると、温州みかんの生産量はトップ10圏外。

年間30種以上のみかんがつくられる。中でもセミノール、せとか、マイヤーレモン。高級品種の栽培に力を入れてきた。生産を支えるのは、1970年代にほ場整備事業が行われた畑。和歌山や愛媛の産地にくらべて、傾斜がなだらか。

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<垣内清明さんのこと>

世帯の約2割が農家という御浜町。垣内さんも、兼業農家に生まれた。高専卒業後は、京都に本社を置く一部上場メーカーへ技術職として就職。

30歳のとき、御浜町へ。お父さんの他界がきっかけだった。

「自分が農業しはるとは思ってなかった。『よしやるぞ』より『しゃあない』いう感じやった。サラリーマン人生の限界も感じていた時期だし、みかんで生計を立てるのも悪くないかと思ってね」

「1年目にして、みかん農家では食べていけないことがわかった。みんな『農業では食っていけん』という理由もわかった。ちゃんと稼げたら、後継ぎも現れるよ。所得が得られたら、御浜町ほど住みよいとこないもん」

御浜町に必要なのは、業として農を成り立たせること。2005年に垣内さんは、畑を10倍に拡大した。

「サラリーマン時代の貯金が全部飛んでいきましたもん。でも、俺一人の問題じゃないことに気づいたわけ」

<かきうち農園の仕事>

12haという農地は、全国的にみかん農家を見てもかなり大きいほう。現在、全国に約5万軒あるみかん農家の平均栽培面積0.6ha。

機械に頼れる部分は、可能なかぎり機械を取り入れている。たとえば消毒作業は、スピードスプレーヤーで行う。

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機械を活用しつつも、最後は、人の目と手。

枝の剪定、花が咲いたら摘果、実がついたら摘果、害虫防除のため季節ごとの農薬散布と除草、収穫そして出荷。農業の中でもみかん栽培は、手間を多く必要とする仕事。

「たとえば摘果(てきか=大きなみかんを実らせるために、一部を間引く)。最初はどの実をちぎったらええかわからん。段々と『この実だな』とわかってくる。摘果しながら、木の状態も見る。『この木には、すこし肥料をあげたほうがいいな』と。自分の目で確認して、判断するには、経験がいるわけです」

垣内さんから見た農業とは、どのような仕事なのか。

「今は社会全体が、人間中心やんか。そういう中にあって、植物に人間が合わせる仕事だと思う。しっかり自然を観察して、はじめていいものができます」

垣内さんは、最初からそういうことがわかっていたんですか?

「いやいや。農業経験ゼロやったから。これからはたらく人も、今できなくてもいいわけ。毎日木を見とったら、育まれてくと思います」

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これからはたらく人には、みかんをつくることにくわえ、対面販売を通してお客さんに伝えることにも取り組んでほしい。

「お客さんの声を肌で感じることは、とても大切だと思っていて。海外への展示会、行ってもらうこともあると思う。行くのはえらいで(笑)。でも度胸がついたり、色んな世界が見えて、見識も深まるわけやから。自分なりの仲間も増えたりするわけやんか」

“伝える農家”も求められていると話す垣内さん。今では県内の若い世代に向けて話す機会も。

「こっちの高校生の子らは、地元にどんな仕事があるか知らんまま、外に出るわけ。でも御浜町には、『ここにいるからできること』がたくさん転がってる」

去年は、当時入社2年目の東恩納さんが、熊野市の木本(きのもと)高校で授業を行った。今年7月には、インターンシップ協定を結んでいる伊勢市の皇學館大学で、垣内さんが講演を行った。

「東紀州ってこういうところですよ」「農家の仕事見たことありますか」話に興味持つ学生がインターンとなり、就職した人も、はたらいて「違うな」と気づく人もいる。「気づけたらお互い“もうけもん”」という。

 「別の道に進んだらええ、とわかったわけやん。やってみることはとても大切だと思っていて。やらなんだら、なにも生まれん」

今回は、どんな人に来てほしいですか?

「素直で、コミュニケーションがとれる人。農大出てるとか、学歴や農業経験の有無にはこだわっていません。農大でいくらみかんの知識を学んでも、いざ畑に出て、おいしいみかんがつくれるとは限らんから。自分の経歴にとらわれないでええんちゃう?やらなんだら、なにも生まれん。やってみることはとても大切だと思っていて。やった失敗は、けっして恥ずかしいことじゃないんよ」

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最後に一言お願いします。

「正直、今はまだまだ安月給なんやけどさ、みかん農家をしっかり稼げる職業にしていきたい。そしてはたらく子らが、どんどん羽ばたいていける仕事になりたい。『役場勤めもええけど、みかん農家になろか』。それが自分らの役割と思ってます」

きっと、16年目の今だから口に出せた言葉だと思う。一歩ずつ形になりつつあるかきうち農園で一緒にはたらいてみませんか。

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<東恩納千晴さん/かきうち農園>

(写真と文:大越元)