和歌山新宮市のブックカフェでカフェスタッフ募集/book cafe kuju(ブックカフェ九重)

和歌山県新宮市にあるbook cafe kuju(ブックカフェ 九重)。旧九重小学校を改修したカフェと本屋とパン屋からなる空間です。

今回、あらたに働く人を募集します。

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2013年11月にオープンすると、色々な人が訪れるように。TVを見て過ごすことの多かった九重地区のおばあちゃん、新宮市街から訪れる家族連れ、熊野三山をめぐるツーリスト、目の前を流れる北山川で遊ぶ人… 地元と外からのお客さんが半々ほどです。

はじめに、立上げ人の柴田哲弥さんから。

「お客さんにとって、kujuってわざわざ来るところだと思うんです。新宮の市街からは車で30分。田辺市、熊野市、尾鷲市からも1時間くらい」

「働く上でも、同じことが言えると思う。ホール&キッチンの仕事です。営業日は、現在金〜月の週4日と祝日。まずは土日祝にシフトに入ってもらえたら。時給800円の実働6時間、月の報酬は約4万円です。お金を稼ぐためだけだったら、誰も来ないでしょう」

「でも、ふしぎとここで働く人って、何か自分ではじめてくんですよ。自分で店をはじめたり、資格を取るための学校に通いだしたり。週に2日、ここで過ごす時間がきっかけになるのかな」

もちろん他の仕事とのかけもち歓迎とのこと。

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柴田さんに話を聞く前日の4月29日、年に一度の九重マーケットがひらかれた。

会場には新宮市、那智勝浦町、田辺市、御浜町から出展者が集まった。1991年に廃校となった九重小学校に、家族連れがあふれかえった。

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「地元の人も、移住者の人もごっちゃになって。きっかけはそれぞれかもしれないけど、たまたま同じ世代に生まれ、同じところに暮らしているんだと思った」

「もっと一緒に何かできないのかな?できたら今回、地元の人と働きたいんです。僕ら、よく『どこから来たん?』って聞かれて… “移住者の営むカフェ”だと思われてる(笑)。僕は和歌山市の出身。2004年から通いはじめて、2011年に熊野川町へ来ました。現在は地元の同世代と一緒に働いています」

資格や経験はもちろん問いません。

現在、熊野地方に住んでいる。Uターンのきっかけを探している。何か自分ではじめようと準備している。結婚を機に熊野へ、「面白いことないかな?」。そんな人からの問い合わせを、首を長くして待っています。

<募集要項>

募集職種 カフェ・本屋スタッフ(アルバイト)
給与 時給800円 まかないつき
仕事内容 ・カフェの接客調理
・本の販売、在庫確認、掃除
勤務地 和歌山県新宮市熊野川町九重315
勤務時間 11:00-17:00 まずは土日・祝日に働いてもらえたらと思います

応募資格

経験問いません。レシピを考えるのが好き、おいしいコーヒーを淹れたい、本が好き、雑貨が好き。何か好きなことがある人
採用人数 1名
応募の流れ まずは下記よりメールをどうぞ!

    名前

    年齢

    性別

    住所

    メールアドレス (必ず記入をお願いします)

    電話番号 (必ず記入をお願いします)

    問い合わせ内容・自己紹介

    <book cafe kujuを訪ねる>

    以下、book cafe kujuの立上げ人である柴田哲弥さんにインタビューをしました。

    どうしてブックカフェをはじめたのか。どんな仕事か、誰と働きたいか。ぜひ読んでみてください。

    (聞き手:大越元)

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    和歌山市生まれの柴田哲弥さんは33歳。学生時代から新宮市に通い、2011年4月に引越をしました。当時は、熊野川町敷屋にある共育学舎に住んでいました。その半年後、紀伊半島豪雨災害が起きます。

    「復旧の手伝いに行った九重地区で、浸水した旧小学校を解体すると聞いたんです。こんないい建物が壊されるんや、もったいないな。誰もやらへんのや、俺やるかと思ったんです」

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    かつての1・2年生の教室は本屋さんに

    すでに市役所では解体予算として800万円が計上されていた。利活用を考え、柴田さんが住民と話す機会を設けると、3分の1以上が反対だった。そうした中「この若者たちを応援してみないか」。柴田さんが、がれき撤去を手伝った近所の女性の一声が、大きな後押しとなった。

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    2016年、地元の人たちが、カフェのとなりに野菜直売所をつくった。左のはるみさんは、木灰こんにゃくづくりに打ちこむ。「くったくたよ〜」。

    話し合いの後、柴田さんは住民向けにカフェメニューの試食会をひらき、九重地区の盆踊り大会を再開。一つひとつ住民との信頼関係を築いていく。

    2013年11月にbook cafe kujuはオープンした。

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    どうして、カフェだったんだろう?

    「家でTVが話し相手になっていた九重のおじいちゃんおばあちゃんも、移住してくる人も、地元の若い世代も、集まれる場所があったらいいかなと思ったんです」

    「本屋併設のブックカフェにしたのは、周辺に本を買う場所がなかったから。知人づてに京都でガケ書房(現・ホホホ座)を営んでいた山下賢二さんに打診したところ、おもしろそうやなと、出店してもらうことになったんです」

    そこからは一つひとつ手探り。

    今でこそすっかりカフェの人というたたずまいの柴田さん。もともと飲食店の経験はあったんだろうか?

    「独学です(笑)。自分がブックカフェをやるなんて思ってもいなかった。はじめはインターネットや本を読んで、コーヒーのことも勉強していって」

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    生の豆を仕入れ、自ら焙煎(ばいせん)するコーヒー。

    「うちはかなり深煎りです。豆を挽いて、ネルドリップで淹れて。昔の喫茶店のやりかたなんです。焙煎機は、1960年代製の通称“ブタ釜”を用いています。焙煎機については色々な考えかたがあるんですけど、新しいほうが温度コントロールが利いてよいという人も、古いほうがコーヒーの油分が回っていておいしいという人もいる。僕はどちらかというと、後者の考えで」

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    フードメニューは、旧給食室に入っている「パン むぎとし」さんのパンをもとに考えた。

    「林さんご夫婦は、ずっとパンづくりの道を追い求めています。小麦の栽培から取り組んで、天然酵母のパンをつくるパン。僕は神の舌を持つパン職人と思ってて。そこに、できるかぎり地元産の食材と組み合わせて、サンドイッチを提供しています」

    <kujuの働きかた>

    「kujuには、“正社員”がいません。みんなそれぞれが仕事をかけもちしています。僕も、家庭教師との二足のわらじなんです」

    柴田さんは一児のパパ。オープン当時は、カフェだけでは食べていけないフトコロ事情もあったという。3年が経った今、カフェだけでも生計を立てられるようになってきたというけれど。

    「かけもちのはたらきかたが、僕はしっくり来ていて。好きなんですよ。家庭教師は、人の紹介で頼まれたときに、受けさせてもらっています。33歳になっても“就職”してないでしょ。周りからはもう、さんざん言われますよ。『就職しろ』『何してんの』『身をかためろ』… ようは『ちゃんとしろ』ってね(笑)」

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    ちゃんとしろ。

    「地方育ちの同世代も感じることじゃないか、と思うんです。公務員になるか、家業を継ぐ以外、就職先の選択肢はけっこう限られる。なにより僕自身、未来を描けない感じがしたんです。僕みたいな生きかたは、大きく稼げるわけでもないんですけど… 同じ熊野に住んでて『こういう生きかたもある』ことは、声をあげたくて」

    柴田さんがはじめた点は、少しずつ線を描きはじめているのかもしれない。

    ここで紹介したいのが、紀宝町出身の庄司颯(しょうじ はやて)くん。

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    カフェをはじめたいと思い、大阪の専門学校へ進学。卒業後は働きたいカフェを訪ねるも、経験のなさもあって採用が決まらない。実家へ帰省した2016年、kujuで働きはじめた。

    自家焙煎に興味があった庄司くん。kujuでの経験を活かしつつ、2017年1月に、新宮市でCoffeeStand納屋(コーヒースタンドナヤ)をオープン。

    土日はアルバイト、月・水・金はカフェオーナーとして働いている。

    再び柴田さん。

    「kujuで働いてくれる人って、次の一歩を探している気がするんです。『今のままではよくないけど、どこに向かったらいいんだろう』『なんとなくやりたいことがあるけれど、きっかけがない』とか。僕が、口ぐせのように『どうしたいん?』と聞くせいかもしれない。ここで働く中で、資格をとって開業しようとか、就きたい仕事のための学校に通いはじめるとか。次の自分に進んでいくんです」

    <一緒に働いてくれませんか>

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    常連さん、という近くの高校生。本屋「週刊少年ジャンプを置いてほしい」という要望はかなわなかったが、カフェのwifiを使い、ゲームを楽しむ。

    「僕、はじめたときに『10年続けよう』って決めたんですよ。これまでの3年間は『校舎が壊されるから、残そう』『必要とされたからやってみよう』。目の前のことにこたえてきました。商売をはじめると明日の仕込み、来週の取引… 現実がどんどん押し寄せてきます。今年は、kujuのこれからを探す一年にしたいと思ってます。これは、僕のかってな思いですけど… もし面白そうと思ってくれたら、コーヒー淹れながら、サンドイッチつくりながら、そういうことも一緒に考えていけたらいいなと思っています」

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    「ほんとうに、来てくれる人次第だと思うんです。アルバイトとして基本の仕事をちゃんとやってくれることはとても大切。その上で、むぎとしさんのパンを今以上に活かして、自分でレシピ開発して、コーヒーの抽出も身につけて、『柴田さんはどっか行っててください!』くらいの人やったら、店をどんどんお任せしていくと思う。そうなれば、もう少し給与を出すことも考えたいです」

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