三重県で起業家募集!-御浜町で仕事をつくりませんか-/三重県御浜町

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「御浜町、穴場だと思うんだけどな」

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林さんが、何気なくつぶやいた。

「車で10分の紀和町には、紀伊半島一有名な棚田があって。瀞峡(どろきょう)まで20分。そうそう、2015年にはBookcafe Kujuもできました。車で30分行くと、世界遺産が点在しています。熊野市には花の窟(いわや)、鬼ケ城。旧本宮町には、熊野本宮大社。新宮市には、熊野速玉大社、神倉神社」

「でも、住むところはなだらかで、おだやかで、静かなところがいいんじゃないかなぁ。目の前の田んぼ、4月10日ごろに、水を張るんです。風が吹くと、水紋が立って。これから、どんどんきれいな景色が移り変わっていく」

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田んぼへ注ぐ川沿いに下っていく。

車で15分ほどで七里御浜(しちりみはま)へ。

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<御浜町で仕事をつくる>

三重県御浜町(みはまちょう)で、“仕事をつくる人”を募集している。

仕事の内容は問わない。たとえばゲストハウス、カフェ、地域医療、WEBサービス、山間部の高齢者への食品配達… 周辺町村に点在する世界遺産、三重県内でも独特とされる東紀州の食文化、住民主導でプロジェクトが生まれている地域医療。

「御浜町もしくは熊野・東紀州エリアが好きになり、農業以外の仕事を考えている。そんな人に応募してほしい」と林さん。

まずは、御浜町がどんなところか、どんな人が住んでいるのかを知ってほしい。そこで、町の非常勤職員として雇用をむすび、2016年に町ではじまった“移住定住の仕組みづくり”に取り組んでいく。今回は地域おこし協力隊という制度を活用した募集。勤務は週5日。

既存の仕組みにとらわれず、自由な発想を進めてほしいという思いから、事務所が役場から飛び出し、尾呂志(おろし)地区の旧保育所(2011年より休園中)に構える予定。

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地区の商店で缶コーヒーを飲みながら、空き家情報が出てくる。はたまた、コミュニティースクール尾呂志学園の生徒たちと一緒に米づくりを行ってみる。

そうして仕事と暮らしを通して関係が深まる中から「自分の目で見て、耳で聞いて、仕事をつくろうとしてほしい」と林さん。

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起業のアイデアが見えてきたら、週5日のうち1日は、予算を活用して資格の勉強や視察にあてることが可能。起業をきめた段階で、契約形態を変更。週5日を起業にあてられるように。起業に向けた期間中も、月に175,000〜200,000円が支給される。

<「頼まれる仕事」と「つくる仕事」>

違和感を覚えながらも、きのうと同じサイクルを重ねる時期はあると思う。それなりの収入、任された仕事、あるいは家族。色々が積み重なっていけば、当然身動きはとりにくくなる。

ただ、もし動けるのならば、身を置く場所を変えてみることも一案と思う。

林さんは東京の移住イベントに出展した際、地区のPRグッズが必要と感じたそう。じゃあ何をつくろうか?林さんは、町内の作家さんに“ラグをつかった人形”をお願いしたという。

「ささいなことですけど。缶バッチもありきたりだし、いまさらゆるキャラつくってもなぁ、と思って」「『周りがこうだから』ではなく、一つひとつを自分で考えて、組み立てる。そうして、なだらかにとんがっていけたら面白いと思うんですよね」。

ちなみに独身の人も、家族がいる人も歓迎です。地区での生活については、以降を読み進めてみてください。

興味を持った方は、まずは下記よりメールをお願いします。

<募集要項>

御浜町地域おこし協力隊
雇用形態 御浜町非常勤職員
任用期間は3年を限度として、1年度単位で延長
※活動開始時期については本人の希望等を考慮し決定します。
給与 月給175,000円 勤務時間外の副業は可能です
福利厚生 健康保険、厚生年金保険・雇用保険等の社会保険
仕事内容 【移住・定住にかかる活動】
・移住相談窓口の運営、充実、関係機関等との連携
・空き家バンク制度の運営、充実
・その他移住・定住(I・Uターン)のための諸活動など
※仕事内容は、本人の希望等を踏まえ決定します。
勤務地  三重県御浜町
勤務時間 1日7時間45分、週5日勤務を基本とします
休日休暇 土日祝日・12月29日から1月3日・有給休暇(年10日 ※条件有り)・特別休暇
※休日に勤務が必要となった場合は、休日を振り替えて対応します
採用予定人数 2名以内
応募の流れ まずは下記よりご応募・お問合せください

書類選考

面接

採用

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<年中みかんのとれるまち>

ここからは、林さんの運転で、御浜町をぐるりと案内していただく。

御浜町役場から車で5分ほど。林さんが向かったのは、大きなみかん農園。高台に登っても、ファインダーに収まりきらない広さ。

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「これが御浜町らしいみかん畑の風景です」と林さん。

「和歌山県有田市や愛媛県宇和島の段々畑とくらべて、斜面がなだらか。高齢になっても畑に出やすいんです」

みかんの味を決めるのは、水はけのよい土地と日照時間と言われます。砂利が多い地質を活かし、御浜町では、古くからみかんが行われてきました。いつからか“年中みかんのとれるまち”と呼ばれるように。町内あちこちにある無人市には、年間を通じて約30種類のみかんが並ぶ。

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「近くで畑を見ると、一つずつみかんを袋づめしているんですよ。セミノール、せとか、春光柑(しゅんこうかん)、ハウス栽培のぽんかん、マイヤーレモン。高級品に力を入れていることも、特徴の一つなんです」

続けて、御浜町の各地区をまわる。

「御浜町は2000年頃まで、町人口が増えてきたんです」と林さん。

町役場から5分ほどの地区では、定期的に宅地造成がなされ、近隣町村からの人口流入が続いてきた。そうした状況もあり、これまでは、移住定住、観光といった交流事業に大々的には取り組んでいない経緯があります。

「御浜町は知られてこそいませんが、気に入る人もきっといると思うんです。人口が減り、地区の運営が難しくなりつつもある。各地区で大体毎年1組から2組を受け入れていけたら」。

<尾呂志地区のこと>

その一つに、移住促進チームが拠点を構える尾呂志(おろし)地区があります。

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役場からは15分ほど。人口500人とコンパクトながら、子どもから老人までが豊かに暮らせるように取り組んできたところ。

地域で子どもを育てるコミュニティスクール尾呂志学園。コミュニティライブラリー。また、年を重ねてからも自宅での生活を可能にするため、小規模多機能型居宅介護を行うおろし複合福祉施設つどいを誘致。

特徴的なのは、そうした活動が住民の働きかけをもとに実現してきた点にあると思う。

この日は、尾呂志学園を訪ねました。

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小中学校が連携したコミュニティスクールとして、2003年に誕生。現在は中学生14人、小学生15人が通います。

尾呂志学園は、設計段階から住民のみなさんが関わってきたそう。

地区にひらかれた学校を目指して、壁面にはできるだけ多くガラス戸を採用。また、地区の人は、コミュニティライブラリーやコミュニティルームの利用ができる。

子どもたちが、校舎の外へ飛び出す「尾呂志米づくり」も。地元農家さんを先生に3月の種もみ選別、4月の田起こし、水張り。5月に田植え。秋には約350キロほどを収穫し、販売します。米の売上を、生徒会の活動費にあてるという徹底ぶり。

この日は、2013年から校長を務める前川(まえがわ)先生に話を聞かせていただいた。

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赴任した年に町外の親御さんから、通学希望の問い合わせがあったそう。

「子どもを通わせるために、家族での移住先を探す方でした。地区内で空き家を探したんですが、当時はなかなか見つからなくて。探して探して、ようやく見つかったときには、すでに遅かったんです」「次は応えられるように、空き家のリストを持っておこうと決めたんです」

2015年には、移住希望者に家を紹介。移住につながったという。

「県内北部からの移住でした。周りの大人も目を見張るほど、すんなりと学校に溶けこんで。尾呂志学園では、生徒会長も務めたんです」

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環境の変化によって、人が息をふきかえしていく。尾呂志学園で起きたことは、大人にも起きるのではないでしょうか。

今回募集する仕事は、移住促進をコンセプトから組んでいくもの。目で見て、耳で聞いて、舌で感じて。その土地を知り、新しい価値を提案していく。自分を主語に、活動していきませんか。

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(写真と文:大越元)

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