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「仕事と遊びの間をつくると、公務員はもっと楽しくなれる」大西勇太(奈良県庁)

初めまして「自己紹介」

初めまして。大西勇太といいます。出身は奈良県御所(ごせ)市で、27歳のとき奈良県庁職員になりました。公務員として働くかたわらで、人が集まることができる様々な「場」を仲間とともにつくっています。

その根っこの部分には、公務員にずっと「前」を見ていてもらいたい、というわたしの思いがあります。

まず最初に紹介するのは、ベテラン公務員の仲間とともに運営する「登大路カフェ」です。

人見知り、でも「場」が好き 登大路カフェ

登大路カフェは、県庁職員有志10名が世話人となり運営している奈良県庁職員自主勉強会です。2011年に始まり、開催は約2ヶ月に一度。

偉そうに話していますが、わたしが運営に関わり始めたのは2018年10月から。新米です。人見知りなわたしにとって登大路カフェの企画運営は、等身大で体当たりするようなもの。人前に立って司会を務めたり、初めましての人とあいさつをしながら、実はとても緊張しています。

それでも、わたしは人が集まる「場」が好きです。参加者がある程度フラットな関係で、ある程度「前」を向いた姿勢でいられる。一緒に何かを生み出していけそうな、そんな場がもっといっぱいあればいいなと思っています。

「公務員の仕事術イベント」

2019年2月、吉野町自主研究グループとの共催による「公務員の仕事術イベント」を開催しました。第1部「講演会」、第2部「交流会」、第3部「吉野合宿」という構成です。

第1部「講演会」

集まったのは、公務員の仕事に関心のある人たち。講演会後のパネルディスカッション、振り返りワークは熱意にあふれた場に。参加者から聞こえたのは、「こんな会があったんですね」「普段は公務員限定ですか?」という声。官民を問わず、オープンな場を目指す登大路カフェにとって、貴重な収穫です。

第2部「交流会」

会場をゲストハウス三奇楼へ移します。ここはかつての料亭旅館をリノベーションした建物。当時の名残が見える蔵では、旅する料理人が「蔵bar」を営業。地元食材を調理して、交流会参加者や地元の住民たちを迎えました。

第3部「吉野合宿」

 交流会に引き続き、宿泊希望の参加者20名で合宿です。夜中まで話つきることなく語りつくし…

枕投げ。

翌日は早朝から吉野山金峯山寺の「蔵王堂朝座勤行」へ。

 「すごくよかった」と口を揃えて帰ってきた参加者たちの晴れやかな顔。企画者冥利に尽きる朝でした。

まめサミット 

実はこの夜、新たなイベントが生まれたのです。それも自分が知らない間に。夜も遅くなった頃、何やら盛り上がっている数名が。

「次は、まめサミットやで!」

地域ごとに味噌汁の味が微妙に違うように、豆製品にも地域の特徴があるといいます。「まめサミット」とは、奈良県内の魅力的な味噌・醤油・豆腐を集めて、豆乳鍋を囲みながら、あちらの豆腐をこちらの醤油で味わってみる。そうしてみんなで奈良を味わう企画が始まりました。

自然と「やってみよう!」が生まれた夜に、わたしは自分の初めてを思い出していました。

原点は、なけなしの勇気 上北山村フィールドワーク

 わたしが登大路カフェと出会ったのは、奈良県庁へ入庁してちょうど1年後。2015年秋の上北山村でのことでした。

フィールドワーク「上北山村洞窟探検」へ、なけなしの勇気を出して参加。高さ約2mの滝から流れ出る水に逆らい、洞窟に入るコース。そこで任されたのは、「初めまして」の人の手を取り、一人ひとり入口へ引っ張り上げる役目。

緊張と同時に、この体験を分かち合う仲間意識が大きく芽生えるように感じました。そして普段触れることのない非日常を体験し、自分の中で特別な思い出が生まれました。

世話人の方へ「フィールドワークまたやってください!」「次は登大路カフェいつやるんですか?」と催促をするうちに、「じゃあ君がやってみよう!」と。気づけば自分も企画者になっていました。

公務員にずっと「前」を見ていてもらいたい

公務員という仕事は案外ハードで、ときたま仕事に忙殺され、自分の気持ちを忘れることがあります。そんなときでも、ここ奈良には仲間がいて、それぞれの場所で頑張っている。そのことが肌で感じられる場が一つでもあれば、案外頑張れるときもあると信じています。

また県庁に勤めていると、奈良県内にいる素敵な人たちにたくさん出会えます。県内あちこちで頑張る人が、ほんの少しのきっかけで、これまで無かったご縁を得る。仕事じゃないけど、まるっきり遊びでもない。そんな場をこれからもつくっていきたいと思います。同期やお世話になった先輩、仲間たちと、これからも奈良を一緒に楽しんでいけるように、自分のできるペースで一歩ずつ歩んでいきます。

プロフィール

大西勇太(おおにしゆうた)1987年生まれ。奈良県御所市出身、奈良市在住。人生のモラトリアムを経て2014年に奈良県庁入庁。奈良県庁職員自主勉強会「登大路カフェ」世話人。奈良県内を中心に、市町村を繋げる場づくりを行う。

(イラスト:大西裕子)