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インターンシップの受け入れを始めました/アサヒ農園

この記事は、2018年7月に掲載した「生産者と消費者でつくるこれからの農業をみかん畑で体得する/アサヒ農園/インターンシップ募集」の体験記です。

<2018年、インターンシップの受け入れを始めました>


田所一成(たどころ かずなり)

三重県南伊勢町生まれ。数年間の会社員生活を経て、家業を継ぐ。典型的な家族経営のみかん農家。生産品種は温州みかんの他にハウスみかん、せとか、内瀬デコ(不知火)、はるみなど。現在は2.5haを耕す。担い手の募集方法がわからない日々。そうした中、2018年度にインターンシップの受け入れを始めました。

産地はどういう状況ですか?

田所)現在内瀬みかんの出荷農家は3軒。全軒が典型的な家族経営です。うちも、父、自分、弟で営み、何十年も手伝いをしてくれる近所のお母さんが5、6人。ここ数年は、近隣農家から「廃業するので畑を任せたい」と相談も出てきました。

どうして、インターンシップを受け入れることに?

田所)内瀬みかんを未来へ繋げたい。僕らは人を必要としているし、一方でみかん農家になりたい人はいるはず。畑の上であれこれ考えるけれど、わからないことが多いんです。そもそもどう募集したらよいか。ずっと家族経営でやってきたし、どんな仕事を任せたらよいのか、どんな人が来るのか。仮に来てくれたとして、住まいをどうするか。試す時間として、インターンシップが必要でした。

今は、何人が就業体験をされていますか?

田所)2018年から2人の方が入っています。みかん農家を目指す青柳さん(30代)と、第一次産業を試してみたい小川くん(20代)です。

人を受け入れて、どうですか?

田所)案外、楽しい。自分一人では手一杯で「まあいいや」となっていたことにも、手を回せるようになったから。

でも、シロウトに教えるのって大変じゃないですか?

田所)今年はせとかの収穫を、青柳さん一家とすることになってさ。まずは「ヘタを2度切りで取ってくれる?カゴに置くときは、やんわりと」と言う。その上で手本を見せて、次はやらせてみます。

教えるコツは?

田所)簡単にいうこと。

途中でわからないことがあっても、手伝いのお母さんたちが教えてくれる。「こうしたらいんだよ」と。

農園自体が変化するんですね。

田所)そうそう。手伝いのお母さんたちも、インターンシップを推進する町役場の人も。みんなで相談していけたら良いと思う。

<2018年、南伊勢町へ来ました>

一人目 農家になりたくて

青柳真理(あおやぎ まり)

群馬県生まれ。2018年10月に「地域おこし協力隊」の制度を活用して南伊勢町へ。「ブランドみかんの栽培」をミッションとして活動しています。この日は、3人の子どもたちと、せとかの収穫に臨みました。

青柳さんは、どうして南伊勢町へ?

将来は、果樹農家になりたい。けれど、新規就農は資金的に難しい。農機具をどうするのか。苗木が育つまでの生活をどうするのか。そうした中、南伊勢町で、みかん農家就農につながる地域おこし協力隊募集があることを知ったのです。この制度が不安を少し減らしてくれたので、チャレンジすることができました。

どうして農家になろうと? どうして…  美味しいもの食べたいじゃないですか(笑)。今は色々と興味が湧いて、田所さんにも質問します。毎日学んでいる一つ一つが、自分の将来につながるから。

二人目 会社辞めて、どうしようって

小川滉太(おがわ こうた)

茨城県生まれ。スポーツが大好きな23歳。小中学校はラグビー、高校はハンドボール、大学ではアメフトに明け暮れる日々。新卒で就職するも会社が合わず、退職。2018年7月「若者チャレンジ応援事業」を活用して、南伊勢町へ。

今はどんな毎日を過ごしていますか?

みかん畑と養殖イカダの上を行き来しています。7月から12月までは、アサヒ農園で週3日、魚の養殖現場で週2日就業体験を行ってきました。1月からは週5日漁業、週1日みかんです。

もともと農業がしたかったんですか?

一次産業を選択肢に考えたことはなかったんです。けれど、一度やってみたいと思いました。

南伊勢町へ来たきっかけを聞かせてください。

大学3年になり、就職活動の時期になっても「仕事」のイメージが全然持てなくて。一度就職はしたものの、どうしても会社になじめない。退職して「自分の今後を考えたい。でも、どうしたらよいんだろう?」と思っていたとき、人から南伊勢町を勧められました。

5ヶ月が経つ今、変わったことありますか?

まだ自分が第一次産業に就くかはわかりません。でも、気づくことや変わることは色々あります。 僕がアサヒ農園で最初にしたのは、ビニールハウスの修復でした。台風の被害を受けたところを、張り直したんです。

その当時はまだ小さかったせとかを収穫しながら、「果実はほんとうに自然の中でつくるんだな」と実感しました。

生活はどうですか?

海の目の前に家を借りているんですが、「自分は贅沢なところに住んでいるんだ」と思うことがありました。週末になると、名古屋や大阪からたくさん釣り人が来るんです。それを見て、自分も始めてみたいなと思ったり。

先のことはわかりませんが、今はそういうところです。

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問い合わせ

南伊勢町役場 観光商工課商工労働係

電話 0599-66-1501

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