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和歌山県田辺市で「森のようちえん」をはじめる/前編和歌山県中辺路町

和歌山県田辺市中辺路(なかへち)町の温川(ぬるみがわ)地区。100人ほどが住むこの土地で、2017年4月に、自主保育サークル“森と畑のようちえん わのうた”がはじまります。

自主保育とは、親が数人集まり、自分たちで共に保育を行うこと。わのうたでは、中辺路町の豊かな自然をいかしつつ、子どもの自主性が育つ保育を目指します。

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はじめるのは、田辺出身の石山可絵(かえ)さん。これまで保育の資格や経験はありませんでした。自身の育児を機に、1年ほど準備を進めてきました。

参加に興味がある人も、自主保育をはじめようと考えていた人も。よければ読んでみてください。

今回は、ぼくの近所である津崎ふきさん、外山(とやま)麻子さん(那智勝浦町色川地区)とともに訪ねました。それぞれに育児真っ最中です。

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色川地区から温川までは車で2時間弱。

迎えてくれたのは石山可絵さん、佑一さん、そして2歳の千莉(せんり)くん。

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2013年に温川へ引っ越してきた石山さん一家。“どれみふぁーむ温川”の屋号で有機トマトを中心に栽培しています。生トマトの出荷にくわえ、ケチャップなど加工品の製造販売も行います。

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ここからは、田辺市出身の可絵さんに話を聞きました。

「京都へ進学する時点で、和歌山に戻るつもりはなかったんですよ。就職してから年に1、2度実家へ帰るたび、見慣れたはずの風景を『いいところだなぁ』と思うようになって」

「思いかえすと高校生の頃、DASH村が大好きで(笑)。そのときから、できるだけ自然にそった育児をしたいとは思っていたな」

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もともと温川を知っていたんですか?

「偶然見つけたんです。結婚を機に、引っ越しを考えはじめて。実家に近い中辺路町を、車でウロウロ探しまわっていたんです。あるとき『こっちのほう、行ったことなかったね』って二川小学校のある角を右折したら、温川でした。山あいの和歌山にあって、わっと土地が開けてて、ええやんて」

「農業やって、子どもが大きくなったら歩いて小学校に通って。住むイメージがかたまり、知り合いを頼って、今の家を借りました」

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けれども引っ越しが決まった直後、小学校が廃校に。

「わー、となったんですけども(笑)。ここで教育の環境をつくっていけないかと思ったときに“森のようちえん”を知りました」

森のようちえんとは、自然の中で幼児教育を行う運動や団体のこと。フィールドは森にかぎりません。海、山、都市公園で活動する団体もあります。北欧にはじまり、現在では日本国内でも200弱ほど運営されています。組織形態は、認可制の保育園から自主保育サークルまでさまざま。

「保育の知識や経験がなかったので、まずは森のようちえん全国ネットワークさんが主催する2日間の指導者養成研修会に参加してみました」

研修中の名札には“主婦”と書いたそう。

「1度目は『すごいな〜』と感心して。2度目に『中辺路ではじめたい』と思いました」

その後は、和歌山県内で活動をはじめていた森のようちえんも見学。そして、自主保育サークル立ち上げを決意。2017年4月のオープンに向けて、現在は準備を進めているところ。

「勉強不足で不安な面もまだまだあるけれど、『やってみないと分からない!』と思ったんです」

活動は2種類。週に1度の「通年型」と月に1度の「イベント型」を予定している。メンバーをSNSとフライヤーで募集したところ、通年型に10組の申し込みがあったそう。

どんな人から申し込みがあったんですか?

「近露(ちかつゆ)、田辺市街地、龍神村、白浜町。車で20分から40分ぐらいですね。近所よりも、田辺の市街地に住む人から反応をもらいましたね」

「今は一つひとつ、組み立てながら進めているところです。もし近所に住んでいる人で、企画から話し合える人がいたらいいなと思っています」

興味を持った人は、気軽に問い合わせてください。

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(聞き手:津崎ふき、外山麻子 写真と文:大越元)

<後編はこちらから>
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