日本一長い路線バスに乗って、日本一大きな村へ/トライアルステイin奈良十津川村
1400年ごろ、太平記に「鳥も通わぬ里」と呼ばれた日本の秘境・十津川村。面積の96%が森林、1,000mを越える山が100連なる。600年後の今も十津川村は遠い。公共交通機関で行くなら、日本一長い路線バス「八木新宮特急バス」に乗って、奈良県橿原市から4時間、もしくは和歌山県新宮市から2時間。
東京23区よりも広い面積に、現在は3,488人が暮らしている。
2泊3日のなかで、十津川村での暮らしがもっとも感じられたのは、ホテル昴(すばる)の料理だった。前菜に添えられた鹿肉のマイクロピザ、鹿肉チーズ揚げ、地場名産のゆうべし、こんにゃく。十津川産の食材と、郷土料理をほどよくアレンジした献立(こんだて)。そこに配膳する平瀬さんの一言が乗る。
十津川の人はあるものを見つけ、組み合わせ、おかしみをつくりだすことが上手なんだと思った。
<奥大和トライアルステイ>
日本一長い路線バスに乗って、日本一大きな村へ。ホテル昴で週3日はたらき、4日間は自分の時間を過ごしてみませんか。
過ごしかたは自由。ひたすらこもって読書、数ある温泉施設をめぐり歩いてマップをつくる、ホテルで提供する野菜をつくる農家さんを訪ねてみる。あるいは、せっかく環境ががらっと変わるのだから、やったことのないアウトドアや古道歩きにトライしてみる。
その後は、帰るも残るも自由。
卒論書かなきゃ。会社をやめた。お金はないけれど時間はある。マンションの更新を迷ってる。ペーパードライバーだけど旅に出たい。一カ所にゆっくり滞在してみたいんだよね。そんなタイミングにどうですか。
<週3日の仕事体験>
ゲストをお迎えするフロントとレストランの接客係を体験します。
フロントは、宿泊予約の対応から、お泊まりする方のチェックイン、チェックアウト時の会計、お見送りまでが一連の流れ。レストランでは、料理を説明しながら配膳します。
<週4日住まい遊ぶ>
週4日の過ごしかたは自由。はじめはひたすらのんびりするのもよし。ずっと読みたかった長編小説を読みふけるもよし。仕事体験だけでなく、住まい遊ぶことを通して十津川を知る過ごしかたも。
温泉の旅
日本ではじめて“源泉かけ流し宣言”を行った3源泉(十津川温泉、湯泉地温泉、上湯温泉)/25の温泉施設をあじわう
古道歩きの旅
小辺路(こへち 高野山〜熊野本宮 目安:3泊4日)
大峯奥駈道(おおみねおくがけみち 奈良吉野〜熊野本宮)
食べるの旅
伝統野菜(十津川なんば、むこだまし(粟)、ミシマサイコ、ヤツガシラ、十津川タカナ、ヤマトトウキ、ユズ、茶)の生産者をめぐる
<平瀬支配人に聞いた、ホテル昴>
1989年オープンのホテル昴(すばる)。主なお客さんは、大阪・奈良から訪れる60代以上の方。熊野古道が世界遺産認定されてからは、海外の方もちらほらと訪れるように。
平瀬さんは、十津川村出身。十津川高校を出た後、石川県の和倉温泉にて板前修行。その後、大阪・ナビオ阪急内のレストランの店長に。33歳のとき、ホテル昴へ。オープン翌年のことだった。
-十津川村って、どんなところですか?
熊野古道の小辺路(こへち)を歩いて、高野山から熊野本宮大社へ向かう道筋にあたるんです。3泊4日の行程の2泊目にあたるのが十津川村です。
そして村民を中心に、ホテル昴では42名がはたらきます。お客さんと接する上で大切にしているのは、誠意を持つこと。「よく来ていただけてありがとうございます」「またお越しください」。そういう気持ちをできるだけ伝える、伝えようとすることだと思うんです。
-フロントでは、お客さんから問い合わせを受けることもありますか。
熊野古道が、和歌山・三重・奈良の3県にまたがる世界遺産ということもあり、お客さんからは他県のことも聞かれます。たとえば「名古屋までどれぐらいかかるん?」「高野山にはどの道で行ったらいいん?」
わたしたち地元の人間は、高野山へ国道425号線で向かうんです。けれども道が険しかったり、ケータイもつながらん場所があります。だからお客さんには、いちばん走りやすい道をご案内させてもらう。
これからはたらく人は、わからなくて当然ですよね。先輩に聞いてもらえたらと思うんです。もちろん興味があったら、自分でも訪ねてみてほしい。人にも話せますよね。
-村内でおすすめのスポットはありますか。
村内でも端から端まで2時間、日本一広い村です。ぜひ一度は瀞八丁(どろはっちょう)、玉置(たまき)神社、谷瀬(たにぜ)の吊り橋を訪ねてみてほしいですね。日本一広い村には、日本一長い生活用吊り橋があります。全長297.7m、高さ54m。大きさも見物ですが、谷瀬集落の住民たちが松を売り、自らお金を出し合ってつくったんですね。
熊野古道って、一時期は「アリの熊野詣(もうで)」と呼ばれるぐらいに、多くの人が訪れた時代があったそうです。ホテルからも近く、当時の面影を残すのが果無(はてなし)集落です。昴では、果無で星を見る企画も行います。流れ星に天の川・・・ホタル。ちょうど6月の上旬ですね。お客さんをご案内したときに、ホタルがふわ〜っと飛ぶ。そうした記憶は、いついつまでも残ると思いますよ。
レストランの仕事体験についても、料理をまじえて紹介しましょうか。
お客さんへの食事を配膳してもらいます。
夕食では、十津川の食材をもちいた会席料理を出しています。十津川村の料理は全体的にそぼくな味わいが多い。あるものを組み合わせることで、生活の楽しさをつくりだすんですね。
赤い斑点が特徴のアマゴ。川魚といえばアユを思い浮かべる方も多いと思うんですが、個人的には、アマゴのほうがオススメです。アユはコケを食べ、アマゴは肉食。その違いも、身に出ます。
それから「むこだまし」。
十津川村でのみ育てられてきた粟(あわ)なんです。平地が少ない十津川村ではかつて、米をなかなか食べられませんでした。せめてお正月くらいは、おムコさんにモチを食べさせたい。そこで粟(あわ)をつぶし「おモチですよ」とふるまったと言われています。もちろんオムコさんも「モチではない」と知りつつも、喜んで食べたと思うんです。それって一つの豊かさだったんではないでしょうか。
短い期間でも十津川に住んで、はたらいて、遊んで。お互いに知らないもの同士ですし、壁をつくらずに、話せたらと思います。地元の人を訪ねれば、観光ガイドに載らない話も聞けると思うんです。そうした話もまじえてお客さんに話してもらえたら。まずは十津川村へ楽しみに来てもらえたらうれしいですね。
<募集要項>
十津川温泉 ホテル昴(すばる) *奥大和トライアルステイは、奥大和移住定住連携協議会による事業です。 |
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謝金 | 1日6,800円保障 |
期間 | 要相談 1ヶ月から滞在する方を優先します。 |
生活環境 | 寮無料/月 寮食(昼・夕)150円/食(9,300円/月) ・寮について:男性1階、女性2階です。四畳半の個室。各部屋に冷蔵庫と冷暖房、テレビあり。 ・トイレ・キッチンは共用です。 ・お風呂はホテル内温泉を利用ください。 ・現地までの交通費上限5,000円を支給します。 |
仕事体験内容 | ・フロント(予約受付、会計、館内の説明、観光案内) ・レストラン(朝食、ランチ、夕食の配膳及びあと片づけ) |
住所 | 奈良県吉野郡十津川村大字平谷909-4 |
時間 | 1日8時間。参考として①8:00-17:00(12:00-13:00休憩)②12:00-21:00(16:00-17:00休憩)③7:00-13:30/17:00-21:00 |
その他 | 仕事体験は週3日以上必要となります。 |
応募資格 |
経験、学歴は問いません。18〜50歳の方 |
募集予定人数 | 最大6名 |
従業員数 | 42名。うちパート・アルバイトは34名 |
応募の流れ | まずは下記より応募・問合せください ↓ 事務局を務める奈良県奥大和移住・交流推進室の担当者より折返し電話させていただきます!(参加日程の確認などについてです) |
移動手段 | 村営&奈良交通バスあり。時刻表はこちら。ホテル発着便が1日5便。わかりにくいため、詳細は問い合わせください。 また車・原付があると移動が容易になります。レンタカーについては、主要駅での借入が可能です。ご相談ください。 |
<十津川の人 *随時追加予定ッ!>