
南伊勢暮らし(子育て編)
南伊勢町で暮らしている人たちの子育て事情について紹介します。
地域で子ども見守る体制
南伊勢町にある集落の多くが限界集落(65歳以上の割合50%以上)で、お年寄りが多くて子どもが少ないのが現状です。
そのため、子どもがいるだけで喜ばれる場合が多く、子どもを通じて地域の人たちとの交流が芽生えたという移住者の体験談も耳にします。
周りの大人たちの助けを得ながら、子育てをすることができるはずです。

地域行事(虫送り)に参加する子どもたち(大江)。
南伊勢町の保育所

町内なかよし保育園の授業の様子。
現在稼働している保育施設は4ヶ所(さくら保育園・なかよし保育園・五ヶ所園・穂原園)あります。自分の居住区から近い保育所を探してみましょう。
※五ヶ所園と穂原園は、2023年4月に統合される予定です。
南伊勢町はもちろん待機児童ゼロで、すべての保育所が受け入れ可能です。令和元年10 月からは、すべての園児の保育料が無料となりました。
2歳まで自宅で保育を行う家庭は子育て支援センターのサポートを受けられるので、ご自身に合った子育て環境を選択できます。
子育て支援センター(子育てサロン)
地域の子育て支援拠点として、子育て中の親子が気軽に集い、相互交流や子育ての不安・悩みを相談できる場所。町内に2ヶ所あって、訪れた親子に対して保育士による絵本の読み聞かせなどを行っている。
子育てに関する南伊勢町の事業一覧
南伊勢町の子育て支援事業は、多岐にわたり、他の市町村と比較してもかなり充実した内容となっています。
代表的なものは、先ほどもご紹介した保育料の無償化。そして子ども医療費助成制度もあり、0歳から18歳になる年度末までの児童に対し、医療費保険適用分全額を助成しています。所得制限はありません。
その他の独自事業は以下のものです。
- 出産祝金
出産祝金として子ども1人につき10万円を支給。 - 赤ちゃん訪問
保健師が赤ちゃんのいるお宅を訪問して、赤ちゃんの身体計測や子育て相談、事業紹介を行う。 - 乳幼児健康相談
保健師および栄養士が、子育てや離乳食の進め方などについて相談を行う。 - わいわいクラブ(離乳食教室)
栄養士からお話を聞いたり、調理実習の教室を行う。 - ブックスタート
満10ヶ月のお子さんと保護者の方に保育士が絵本の読み聞かせを行う。 - 幼児歯科検診
1歳の誕生月の初日から3歳の誕生月の末日までの間に4回、町内歯科医院にて無料で歯科検診、フッ化物塗布などを行う。 - キラキラ教室(英語力向上事業)
町内保育所で英語を使った遊びやイベントを開催。
小・中学校

課外授業で稲刈りをする小学生(南島東小学校)
南伊勢町には3つの小学校(南島西小学校・南島東小学校・南勢小学校)と2つの中学校(南島中学校・南勢中学校)があります。
児童・生徒数は非常に少ないので、複式学級(異なる学年をひとつにした学級)の形も取っています。生徒一人ひとりに対する手厚いサポートが期待できますが、生徒が少ないことによるデメリットを感じる人もいるでしょう。
お子様の性格やご自身が求める子育て環境を考慮して、メリット・デメリットを考えてみましょう。
また町内には、仕事と子育ての両立を希望する共働き世帯や親の仕事の都合などに対応して、放課後児童クラブも開設しています。
放課後児童クラブ
仕事などの理由で家庭に保護者がいない児童が、放課後や、夏・冬・春休みに利用することができる場所。町内に2ヶ所ある。
小中学校に関する南伊勢町の事業

地域行事(浅間祭)の餅つきに参加する子どもたち(切原)。
南伊勢町は多くの児童・生徒が通学バスを利用するので、学校へ送り迎えをする必要はありません。通学にかかるバス料金も補助されます。
ただし本数が限られているので、部活動で通常の登下校時間と異なる場合や、子どもが遅刻・早退をした場合は保護者の送り迎えが必要な場合があります。
- 町営バス定期券の配布
町内の小中学生に対して、町営バスの定期券を配布。 - 学校給食費の半額補助
小中学校に在学する児童・生徒の学校給食にかかる費用の半額を補助。 - ふるさと教育
ふるさと南伊勢町を愛し、ふるさとに誇りを持つ子どもたちを育てるための「ふるさと学習」を行う。
高等学校
南伊勢町にある高校は南伊勢高校のみです。
2013年からはソーシャルビジネスプロジェクト(SBP)が始まり、高校生が地域の課題をビジネスの手法を用いて解決するクラブ活動を行っています。
少数精鋭の手厚い教育や魅力的な活動ができますが、生徒が少ないことによるメリット・デメリットを考えた方がいいというのは、小中学校と同じです。
南伊勢高校以外にも、伊勢市などの近隣の市町へ通学する高校生もいます。
- 高校生バス通学バス料金の補助
高等学校および高等専門学校に通学する生徒の保護者に対し、通学費の全額または一部補助。 - 南伊勢高校大学進学奨学金
南伊勢高校から大学に進学した場合、最大100万円を給付。 - 南伊勢高校町営進学塾
南勢校舎で国公立大学などへの進学へ向けた進学課外授業の実施。
まとめ

地域行事(浅間祭)で化粧をする子ども(古和浦)。
南伊勢町は子どもが少ないので、町全体が子どもを応援してくれます。子育て中の親に対する理解もあり、安心して子育てをする環境でしょう。
ただし子どもが少ないがゆえのデメリットや、子どもの将来の選択肢(南伊勢町から通える高校・大学進学先は少ないです)なども考慮しましょう。
それらを考慮した上でも、南伊勢町に住む価値はあります。自分がどんな暮らしをしたいかをしっかり想像して、南伊勢暮らしの準備をしましょう!