• ×LOCAL
  • 地方自治体との連携プロジェクト

移住体験住宅DIY、はじめました@南伊勢町

三重県南部の海沿いに広がる町、南伊勢。その名の通り、伊勢志摩エリアの南部に位置し、「伊勢の南玄関」とも呼ばれている。

隣接する伊勢市にある神宮には日本国民の総氏神と言われる天照大神が鎮座し、この町にも神宮にまつわる歴史、その他固有の祭りや行事が数多く受け継がれる。

リアス海岸の入江が風光明媚な4つの湾を形成し、独特の地形や温暖な気候を活かして真鯛の養殖や柑橘類の栽培が盛んに行われる活気ある町だ。

しかし、人口減少という社会現象の煽りを受けて、数多くの課題が浮き彫りになっている。とりわけこの町で大きな問題となっているのが、空き家の増加だ。

人口12,788人(2015年時点)の町で、38ある集落のうち15ヶ所が高齢化率(65歳以上の人口)50%以上のいわゆる限界集落で、40%以上に広げると、32ヶ所が該当する。

現在なお町内に空き家は893件(2009年)あると言われているにもかかわらず、今後は加速度的に空き家が増えることが予想される。

この課題に取り組むべく、町内で移住相談・空き家バンクの事業を展開するむすび目Co-workingは、移住体験住宅を自分たちで整備することを決めた。

むすび目Co-workingについては詳しく知りたい方はこちら

「南伊勢町に移住したいという方がいても、すぐに紹介できる家がないんです」と、代表の西川百栄さんは言う。

南伊勢町は持ち家率が95.2%と三重県No. 1。民間アパートはほぼないため、移住者は一軒家を探すしかない。さらにこの町は、町内に不動産屋がひとつもない。

町内に知り合いがいる人なら、紹介してもらえるかもしれない。しかし、つてがない人は、一体どうしたらいいのだろう。

南伊勢町役場は2011年に空き家バンクを開設し、現在はむすび目Co-workingと共同で運営を行っている。

空き家バンクとは……

町内にある使われなくなった空き家をインターネット等で紹介し、町内で住宅を探している方や都市部から移住を希望される方へ情報提供するもの。

 

この制度のおかげで移住者だけでなく、町内で引越し先を探す人々が空き家を見つけ、南伊勢町で暮らしている。これからさらに登録物件を増やして、移住者などへ紹介していくつもりだ。

しかしまだまだ登録物件は少ない上に、ある程度の改修が必要なものが多く、移住者へのハードルは非常に高い。

登録物件には売買と賃貸の2種類があるが、ほとんど売買であることも問題だ。いきなり一軒家を買うこともまた、相当の勇気がいる。

せっかく南伊勢町に興味をもってくれた人が、家を見つけられずに過ぎ去っていく。そんな悔しい経験から、移住体験住宅を整備しようということになった。

 

・目の前は海。南伊勢町の中心市街地にお試し移住!

移住体験住宅として整備するお家は、五ヶ所浦の集落にある。人口は1,505人(2018年時点)と町内最大で、スーパー(ぎゅーとら五ヶ所店)やコンビニ(ファミリーマート南勢五ヶ所店)まで車で3分(徒歩15分)と、非常に便利な立地だ。

最終的に暮らし始めるなら必ず車を用意しなければいけないけれど、これならお試し移住期間は車がなくても生活ができるだろう。

何よりも魅力なのは、海まで徒歩0分。庭からも海が見えることだ。

南伊勢町に住みたい人の多くは、海沿いの暮らしに惹かれてやってくる。だからこそ、目の前に海がある環境で、南伊勢暮らしを体感してほしい。

いきなり移住はハードルが高いからこそ、まずはお試し移住でこのお家に住んでみて、その間に家や仕事を探したり、車を用意したりするのが良いと思う。

自分が南伊勢暮らしに馴染めるかどうかも、確認できる。

とは言っても、まだまだ住める状態ではない移住体験住宅。むすび目Co-working一同、まずは全力で草刈りとゴミ捨てをします。

その後DIYで庭づくり、内装、外装を整備して、冬頃から利用を始める予定。どうぞご期待ください。次回は庭づくり編です!

関連記事一覧