
知らなかった木こりの現場/鳥羽山林業
「人が足りてる今、5人目の“木こり”を育てたいんや」

2015年、和歌山県に誕生した木こり集団鳥羽山(とばやま)林業で仲間募集です。
「実は今、人手は足りてるんだよ。だから10年、20年後を見すえて、人を育てていきたい。経験は問いません。待遇もきちんとしたくて。日給月給にて給与は22〜33万円、月に8日は休んでほしい、というかぼくらも休みたいし、保険や年金もしっかりしていきます」
と、代表の鳥羽山誠一(42)さん。まずは、彼の運転について、現場へ向かいましょう。
(写真と文 大越元)

<木こりの現場へ>
現場に到着すると、まず目に入ったのは自然だった。

雑木が茂っていた。

小川ではウグイが泳いでいた。

その中に、プロセッサで木を切るヒデ坊(32)のすがた。

<架線集材という技術>
林業と一言で言っても、木を育てる保育から、収穫にあたる出材まで幅広い。鳥羽山林業は、架線集材(かせんしゅうざい)という特殊な技術を持つ。現場は、三重県松阪市から和歌山県古座川町までさまざま。
太さ10mmほどのワイヤ(架線)を用いて、木を山から運び出していく。


皆伐後は、あらたに苗木が植えられて、次のサイクルがはじまる。

<重さ1トンの木を運び出す技術>
ここで、山頂にいるチーやん、こと畑中さん(72)から、トランシーバーが入る。
「ホールスライしもて引き込んで」「ちょいちょいスライ」。

「“畑中語”は、何言うてるかわからないやろ(笑)」

「『巻き上げのワイヤーをゆるめながら、ローチンを俺の体の方へ寄せて』『ちょっとずつ緩めて』。畑中語が、鳥羽山林業の最初の壁かもね(笑)」と大屋さん(49)。

集材機を動かすと、木が降りてくる。まるで、ロープウェイに乗って人が下山するように。

トランシーバーのやりとりを聞きながら、ヒデ坊が木からワイヤを外す。まだ32歳だけれど、すでに14年のキャリアを持つ彼は、きこり集団のエース。





<魚を、雑木を驚かせない技術>
鳥羽山林業が持つ架線集材という技術。自然への負荷が少なく、コストが低く、よいことづくめだけれど、担い手が少ない。その大きな理由は、技術を身につけるまでに長い時間がかかるから。鳥羽山誠一さんは、10年間修行して独立した。

出身は、和歌山市。いなか暮らしがしたくて、27歳のとき那智勝浦町色川地区へ。就職先として入った森林組合で切り捨て間伐をする1年半。架線集材の技術を受け継ぎたい菊地さんに出会った。
「ぜったい”出し(出材)”の時代がくると思って、覚えたん」

ところで今、日本の山は出材の時期を迎えている。山肌を削り、道をつくり、大型の搬出重機で出材する方法が増えている。
「それするとさ、山に、川に、海にムリさせてさ。土砂崩れも起きやすくなる。おれはそうおもう」。
くらべて架線集材は、静かな出材方法。川に住む魚や、山の雑木を騒がせることなく、木を切り出していく。

自然にムリをさせない現場は、人にもムリをさせない。強くおもったのは、のびやかな現場だなぁということ。鳥羽山さんとヒデ坊は基本的にタメ語で話し、大屋さんは気持ちよさそうに伸びをしている。トランシーバーからは畑中語が聞こえてくる。

カッコつけて言えば、それぞれが自分の仕事をまっとうし、お互いがお互いの仕事を信頼している。
ここで鳥羽山さん。
「こいつ腹立つわぁ、とか全然あるよ。そういうもん。みんないいとこも、悪いとこもあるし。お互いさま。ごめんなさいって謝ることも、いっぱいあるよ」。

<木こりと休日とドローンと>
「ムリをしない」のは、気持ちの面だけじゃない。
ムリがたたってケガしたら元も子もないから、つかれたら休む。仕事が人生じゃないから、地区の行事や家族の仕事があったら休む。
そして、作業において機械に任せられる部分は、できるだけ頼る。木こりの現場は、どんどん変化している。

かつては、架線鉄砲で飛ばしていたバインダーヒモ。現在はドローンを用いるように。木こりとしては、火薬の管理を省けるように。


<変わること、変わらないこと>
でも、変わらないこともある。



テクノロジーに委ねられる部分は、うまく利用をして。人間が受け継ぐことはきちんと受け継いで。
それが、これからの木こり。
<木こりは楽しい>
じゃあ、木こりの楽しさってなにか。
鳥羽山さんとヒデ坊が、口をそろえた。「むずかしいから、楽しい」。

最初は全然だったというヒデ坊。「やってくうちに木倒すのがすごい楽しくなってきた。絶対無理めな木を、狙ったところにバタンと倒せたとき、すぅぅぅぅごい達成感!」

林業をはじめて15年を迎える鳥羽山さん。
「1日2,300本の木を倒す中で、『完璧に切れた』と言えるのは数本。慣れるということがない。ついこの間は、10本連続失敗したばかり(笑)。だから、続けたくなる」
「あの木、切ってくるよ」





最後に、三人に質問をしてみた。
一緒に働くのは、林業の好きな人がいいですか?
「そりゃあ、好きな人が一番いいとおもう。でも」(大屋)
「やってみな、好きかどうかわからんよね」(鳥羽山)
「好きかどうかよりかは・・・ 絶対やったるって根性だよね」(ヒデ坊)
一度、現場を訪ねてみてください。まずは、メールを。

<募集要項>
| 鳥羽山林業 | |
| 募集職種 | 木こり |
| 給与 | 日給月給220,000~330,000円(日給10,000〜15,000円 経験によります) |
| 福利厚生 | 雇用/労災/健康保険/厚生年金あり 退職金共済加入 |
| 仕事内容 | ・立木をチェーンソーで伐採し、集材機で土場(プロセッサー設置場所)に集めて、プロセッサー(木材用重機)を使用して造材を行っていただきます ・原木を市場まで搬出・運搬(4Tトラック)を行っていただきます |
| 勤務時間 | 7:15〜15:30(休憩12:00〜13:00) |
| 休日休暇 | 月8日休み お盆休み(8/12~16 ) 正月休み(12/29~1/5) |
| 応募資格 | 経験、学歴問いません |
| 採用予定人数 | 1名 |
| 応募資格 | 普通免許(マニュアル)が必要です |
| 応募の流れ | まずは下記よりご応募・問合せください ↓ 書類選考 ↓ 面接 ↓ 採用 ・取得した個人情報は、採用選考にのみ使用します |
